トピックス

ゆきわり草1月号

2025年1月8日(水)

2025年は巳年。へビは古今東西、伝説のキャラクターとして欠かせない存在です。世界中で最も有名なヘビは、聖書の中でアダムとイブにりんごを食べるようそそのかしたヘビでしょう。そのヘビのおかげで私たちは羞恥心を持ち衣服を着て生活するようになりますが、神のお告げを破るという罪を背負うことになりました。

 日本の神話ではヤマタノオロチがよく知られています。毎年、現れては若い娘を食べてしまう。末娘が食べられると泣いていた夫婦に出会ったスサノオノミコトは、その末娘クシダナヒメと結婚することを条件にオロチ退治を請け負います。スサノオは、まずクシダナヒメを櫛の姿に変えて自らの髪に挿します。そして8つの頭を持つオロチに対して8つの酒壺を用意し、強い酒で泥酔させた末に切り裂いて退治します。

 さて、私も含めて大抵の人間はヘビが苦手です。なぜでしょう。ある研究によると、私たちの視覚には、他のモノよりもヘビやクモなど危険な生き物を選別していち早く見つけ出す機能が備わっているそうです。そして、それらを見つけだした時の視神経の伝達は、反射的に素早く体が反応できる(逃げるor戦う)ための回路を働かせることもわかりました。

 生まれた時から飼育されて育ち、一度もヘビを見たことのないサルはヘビを怖がりません。しかし視覚回路の反応を見ると、いち早くヘビを選別し身構える準備ができていることがわかりました。ヘビを見たときに「身構えろ」という反応を起こすのは霊長類共通のようですが、そこに「恐怖」の感情が伴うかどうかは経験や学習の影響によるようです。

 神社の「しめ縄」は絡み合うヘビがモデルという説があります。脱皮をして何度も生まれ変わる強い生命力の象徴だというのです。WHOのシンボルマークは杖に絡みついたヘビです。扱い次第で生死どちらにも影響を及ぼす医術の象徴と言われています。いずれもヘビが持つ力に畏敬の念を抱いていることによります。
さて、みなさんは今年の主役ヘビに何を感じますか?              

                                                                                園長  永井 洋一 

トピックス一覧

TOPへ