お彼岸は先祖を供養すると同時に、般若心経に謳われる「波羅蜜多」を実践し、悟りの境地(彼岸)に達する体験をする期間とされています。波羅蜜多はサンスクリット語のパーラミターの音写語で、6つの修行(布施、自戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を示します。全てを実践するのはかなり難しいですね。
さて、秋の彼岸のお墓参りのお供物の代表は「おはぎ」です。同じものが春の彼岸のお供物では「ぼたもち」と呼ばれます。「おはぎ」は、秋の花「萩」にちなんで、「ぼたもち」は春の花「牡丹」にちなんでいるからだそうです。「おはぎ」はつぶあんで、「ぼたもち」はこしあん。これは、秋に収穫されたばかりの小豆は柔らかいので粒を生かしたつくりになりますが、春まで残った小豆は固くなっているので潰して使うからだそうです。
皆さんもお彼岸には季節の恵みを頂きながら、代々の祖先を思い、日々の自分の生き方を見つめ直してみてください。
園長 永井 洋一