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ゆきわり草11月号

2025年10月31日(金)

 秋の花コスモスは、色とりどりの花が整然と並んで咲き誇ることから、まるで調和のとれた宇宙を示しているようだということで、宇宙を示すコスモスと名付けられたそうです。

 さて、今から2500年くらい昔の話。ピタゴラス(BC582〜496)は「宇宙が音楽を奏でていて、それがこの世の調和をもたらしている」と考え、音楽と宇宙の関係を数学的に探求しました。そして、雑音がなくきれいに響く音程が単純な整数比で示せることを発見し、それが現在でも使われている音楽の「音程」につながっています。

 星占いでお馴染みの黄道十二星座を作った天文学者プトレマイオス(83〜168)は、地球を周回する(当時は天動説でした)星の動きと音階が共通すると考え、ピタゴラスの音階をさらに洗練させました。それが、ギリシア神話の調和の神ハルモニアを語源とする「ハーモニー」です。後にハーモニーは「和音」を示すものとされるようになります。

 惑星の軌道が楕円であることを発見した天文学者ケプラー(1571〜1630)は、惑星が最も太陽に近づく近日点、最も遠ざかる遠日点の差から、惑星それぞれの音を設定しました。例えば金星は近日点と遠日点の差が少なく真円に近い軌道なので単音に近い音ですが、楕円軌道の大きな水星は振れ幅の大きな音階になっています。

 星たちがそれぞれの音を奏でながら宇宙を回り、宇宙全体が調和の取れた音楽を奏でている…。とても素敵な話ですね。美しい秋のコスモスを見ながら大宇宙に思いを馳せてみましょう。
                                    
                                                                                                                 園長  永井 洋一
  

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