園の紹介

モンテッソーリ教育の基本

1.モンテッソーリ教育とは

100年を経てなお

モンテッソーリ教育は20世紀初頭にイタリアの医師で教育学者でもあったマリア・モンテッソーリにより提唱された教育法です。幼児期の発達に必要とされる普遍的な要素を網羅した方法として、100年を経た現在でも色褪せることなく幼児教育の本質を示すものとして注目されています。

自己教育力

モンテッソーリ教育の特徴は、人間が誰しも生まれながらに持つ「自己教育力」を引き出す環境づくりをすることです。人はだれでも例外なく自分の周囲にあるものに対して好奇心を持ち、知り、学ぶ意欲を持ち、できなかったことをできるようにする努力をし、自分を成長させたいという本能をもっています。その生まれながらの力を「引き出す」手伝いをするのがモンテッソーリ教育です。

敏感期・5領域

人のさまざまな機能の発達は一様ではなく、年齢ごとに発達が顕著になるタイミングがあり、それを敏感期と呼んでいます。また、モンテッソーリ教育では、成長、発達の特長に応じた適切な刺激を提供する環境づくりを「5領域」という切り口から考えます。当園でもその理念に基づき、在園する3歳から6歳の敏感期、すなわち成長、発達に最も適したタイミングを捉えた活動と環境設定を多様な切り口から提供しています。

敏感期・5領域

夢中と主体性

一人ひとりの子どもの敏感期はいつか、つまり「今、何が一番伸びる状態にあるのか」を把握することは容易ではありません。それを推察する方法の一つとして、その子が真っ先にとびつくもの、夢中になって取り組むもの、に発達の状況が反映されていると見る視点があります。例えば、はいはいしている子に足腰の骨、筋肉の発達があって「歩きたがる」ように、また、歯が生え始めた子が「噛みたがる」ように、子どもの無心の行動は内なる発達、成長をそのまま示すという視点です。こどもが夢中になっている活動こそ、その子の中で最も成長している機能と関わりが深く、それを存分に活かすことが主体性の萌芽を助けるという視点です。

適切な環境設定

モンテッソーリ教育の中心となる「おしごと」の時間では、子どもたちの成長発達を引き出すための工夫がなされた多種多様な教具・教材が活用されます。子どもたちがそれらの教具を自ら選び、遊ぶことで、その子の敏感期に関係する機能が適切に引き出される可能性があります。子どもたちが自ら選んだ教具で集中して遊ぶことがすなわち、子どもたちの成長過程でその時一番伸び盛りになっている機能を最も適切に伸ばしていることになると考えられるのです。

おしごとについて

M.Montessori(1870 - 1952)

M.Montessori(1870 - 1952) モンテッソーリは、モンテッソーリ・メソッドなる教育体系の創始者として知られています。女史は、イタリアの医師であり、教育者でした。医学的知識と子どもの観察を通し、ユニ一クな教具を多数開発しました。それらは子どもの自己発達を助ける有効な手段として世界各地の幼稚園で認められています。

2.モンテッソーリ教育と主体性

教育指導要領の中核

主体性は近年の日本の教育で最も重視されている概念です。文科省の教育要領にもいたるところに主体性という言葉が盛られています。他者から与えられたものを受け取るだけでなく、主体性、すなわち自ら考え、判断し、発見し、開拓していく力は人生を生き抜く最も重要な要素といえます。

自己選択から充実感まで

「おしごと」の時間では、子ども自身が何を選択し、それをどこまで実行するかを決めます。自分で選択し、自分で必要なだけ繰り返し、他者に干渉されずに集中し、自分で完結することで、創造の喜びを感じます。そして、自分の行動が周囲から称賛、承認されるによって高まる有能感がさらに新しい活動、より複雑で高度な活動に取り組む意欲をつくっていきます。こうした自己選択→繰り返し→集中→充実感の反復の中に子どもの「主体性」の芽生えがあると考えています。

相互の尊重

たて割り保育の環境も主体性を育む大切な要素と考えます。一人ひとりが気ままに「自分」を押し出していくばかりでは、社会は唯我独尊のぶつかり合いになってしまいます。自分を抑制し他者を受け入れる許容の視点を持つことなくして各自の個性が尊重される世界は成立しません。たて割り保育の中で異年齢の多様な子どもどうしが生活することで、発育、気質、特長の異なる相手の立場を理解し、他者との良好な関係を築きながら自分らしさを際立たせていく方法を見つけていきます。

たて割り保育について

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